参政党が“メディア排除”?会見で記者の取材を拒否

そして、神奈川新聞記者の会見取材拒否は7月22日(火)に起きた。会見が始まる直前…。
参政党スタッフ
「事前登録してなかったらダメですよ」
神奈川新聞記者
「そんな案内来てません」
「趣味で来てるんじゃない。市民の知る権利に応えるため来てる」

参政党のスタッフは「事前登録していない」という理由で記者に退出するよう求めたが、会見の案内状には事前登録が必要との記載はなかった。
参政党スタッフ
「登録されてないので、決まりがあるのでご退出いただけますか」
神奈川新聞記者
「案内をいただいて取材に来て…(記者は)全員登録してるんですか?」

参政党スタッフ
「してるんじゃないですかね」
神奈川新聞記者
「してないと思いますよ。『してるんじゃないですかね』って適当なこと言わないでください。私だけ登録必要とか滅茶苦茶じゃないですか」
神奈川新聞の記者は近くにいた別のメディアの記者に聞いたが事前登録はしていないという。

神奈川新聞記者
「なんで排除されなきゃいけない」
参政党スタッフ
「こちらで判断できるんです、こういうことは」
神奈川新聞記者
「政党としてありえない」
参政党スタッフ
「ありえるかどうかは、こちらが決めますから」
神奈川新聞記者
「あなたが決めることじゃありません」
参政党スタッフ
「いえいえ、私が決めます」
最後は「警備員を呼ぶ」と言われ、記者は退出せざるを得なかったという。

会見を退出させられた神奈川新聞 石橋学 記者
「さすがに出されるとは思わなかった。質問を当ててくれない可能性はあるなって思ってましたけど『(初鹿野氏が)どうして非国民と呼んだのか』責任を問うつもりでいたので、特定の都合の悪い記者を排除する意図が明らかにあったと思う」
参政党の主張を批判する記事を書いてきた石橋記者。会見場でスタッフと押し問答をしているとき、神谷代表は…。

参政党 神谷宗幣 代表
「石橋さん…かな」
石橋記者を認識していたことがうかがえる。
参政党は7月24日、見解を発表。事前登録の件にはまったく触れず、記者をこう非難した。

参政党の見解(7月24日)
「『しばき隊』と呼ばれる団体と行動を共にし、本党の街頭演説で大声による誹謗中傷などの妨害行為に関与していたことが確認されています。今回の会見でも混乱が生じるおそれがあると判断し、主催者として入場をお断りしました」
これに対し、神奈川新聞は7月25日に「明らかな事実の誤りに基づく指摘で、到底容認できません」としたうえで…

神奈川新聞の声明(7月25日)
「『しばき隊』という団体は存在せず、人々を『暴力的な集団』とみなして攻撃するための『ネットスラング』です。公党が市民に対して使うことに、強い違和感を覚えます」
――また参政党の会見があったら行きますか?
会見を退出させられた神奈川新聞 石橋学 記者
「もちろん行きます。権力の側は『いていい記者』と『いけない記者』を分断して排除していく、権力の暴走というものが既に始まっていると感じている」
ジャーナリズムに詳しい澤康臣教授は、公の政党が記者の会見取材を拒否したことについて…。

早稲田大学 澤康臣 教授
「(政党に)票を入れた人も入れてない人も、権力を委ねて預けて行使をしてもらってる。その人たちが本音でどう考えているのか、表向きの公式映像のような宣伝ではなくて、本音でいろいろ質問されたときにどう対応できるのか。(質問に)うまく答えられないと明らかになる場合もある。それも含めて重要な情報。
権力者が『報道してほしい』『こう報道すべきだ』というものに囲まれて、道を誤って破滅に行こうとしたのが、80年前の日本だった。やや大げさに聞こえるかもしれませんけど、気に入らない情報・角度では報道させない、確実にそっち(戦争)と繋がってます」