不正確な事実に基づく過激な主張が目立った参政党。弁護士の白充さんはこう指摘します。

▼白充 弁護士
「選挙運動期間中にデマや嘘を言ったということだけをもって、何かそこを規制するような法律っていうのは、残念ながらないと言わざるを得ません。しかし、このままで本当にいいのだろうかという、やはり疑問というのは、それはそれでやっぱり持つと思いますし、それはあの真っ当な疑問だと私自身も思います。票を自分が獲得するために過激なことを言うようになっている。SNSやネット上で過激なことを言うことで、それが嘘であろうが何であろうが過激な注目されるようなことを発信することで、閲覧数が伸びたり、いいねの数が増えたりというようなことが、リアルの世界で選挙運動という場面で、それと同じような構造が起きてしまっていると。時代のスピード感というものにあった議論を、まあ、我々自身ができていたのかといったところも、やはり我々自身が振り返ってみなきゃいけないと」

戦後80年の節目を迎えた今年、沖縄戦に関する多くの報道が行われ、神谷代表の歴史認識が問題視された中でも比例代表の県内の政党別得票数は自民党に続く8万票あまりを獲得し、過去の新興政党と比べても突出した支持を得た参政党。

琉球大学でも勤務経験のある久保慶明教授は沖縄戦の歴史継承について厳しい見解を示しました。

関西学院大学 久保慶明 教授(政治学専門)
「この沖縄戦に関する発言というのを、(有権者が)それほど重視していなかった可能性というのも、ゼロではないんだろうというふうに思います。沖縄の中でも有権者の世代交代というのが進む中で、歴史認識の継承というものが、もしかしたら困難になってきている、そこと関連しているのかもしれないなというふうに思います」

様々な批判も起きた参政党ですが支持者たちはこう語ります。

▼参政党支持者
「どうして日本人ファーストがヘイトなのか。私はそれが不思議でならない。私たちが幸せで豊かな心にならないと絶対他の人を応援してあげる、大切にしてあげる気持ちにはならないと思います」「今変えないとね、もう沖縄危ないよ、中国に土地を買われたり子どもたちが怖い怖いする」「私たち、沖縄の祖国復帰運動を戦った世代だから、60代70代の人はみんな、立ち上がれーって言いたい」

那覇市で開催された神谷代表の遊説の際は、参政党の主張に反対の紙を出し続ける男性を、一部の参政党支持者が引っ張り、押し出す場面も…。

「分断」が助長された先にどんな未来が待っているのか。

▼白充 弁護士
「共生社会っていうものの定義が変わってくる可能性があります」

関西学院大学 久保慶明 教授(政治学専門)
「事実かどうかではなく、人々にとって理解しやすいかどうか、あるいは人々の支持を集めやすいかどうかで、選挙がすべて使われていくとすると、それこそもう選挙という仕組み自体が機能しなくなっていくので、そこはきちんと社会的に対処しなければいけないと思います」

選挙戦の在り方に、警鐘が鳴らされています。

選挙中に訴えた保守的な外国人政策などで有権者の共感を集めた一方で性的少数者を排除する論理や独自の歴史観も隠さない参政党がどんな政治を行うのか。一気に政界の台風の目となった新興政党の政治活動は今後も高い関心を集めそうです。