◆「毎年悪くなっているが、今年は底が抜けた感じがある」
キッズドアの渡辺由美子理事長は「困窮家庭の状況は毎年悪くなっているが、今年は底が抜けた感じがある」と話します。「これまでは親の食事を減らして子どもに食べさせていたが、今年は子どもにも食べさせられなくなっている。十分な食事が取れないということは、子ども自身が『自分は貧困なのだ』と自覚しながら育たなければいけないということ。こうした環境が子どもの将来にどんな影響を及ぼすか心配です」と危機感を募らせています。

キッズドアでは、この夏は米やレトルト食品など7000円ほどの食糧支援を3000世帯に行い、資金はクラウドファンディングで集めています(7月31日午後10時まで)。目標金額は2100万円ですが、超過したお金は支援に漏れた361世帯への支援に充てる予定です。支援物資はすでに一部発送されていて、保護者から安堵の声も届いています。
・この度の食料支援、ほんとうにありがとうございます。主食をたくさんいただけたおかげで子どもの好きなお肉や高くてなかなか買えないお魚を食べさせてあげたいと思います。
・支援をしてくださった皆様の温かい気持ちが詰まった段ボールいっぱいの食品をありがとうございました。夏休みの食費や生活費を抑えることばかり考えて孤独な思いでしたが、ほっと一息つくことができました。
・7月中旬ですが今月は食費に使えるお金が残り4000円しかなく、本当にどうしようかと思っていたところ届いたので、心から助かりました。
子どもたちの夏休みはこれからが本番です。お腹が満たされるだけでなく、友達と遊んだり様々な体験をすることも子どもには大切な成長の糧です。一人でも多く、心も体も大きくなれる夏を過ごしてもらいたいものです。(取材・文 MBS東京報道部 石田敦子)