早くも卒業式の準備です。

山形県西川町の小学校ではきょう、世界に一枚だけの卒業証書づくりが行われました。

報告・嘉藤奈緒子
「子どもたちが作っているのは西川町の伝統工芸・月山和紙です。これがみんなの卒業証書となります」

山形県西川町の西川小学校では、町の文化を学び親しみを持ってもらおうと、
毎年、卒業証書に使う紙を手作りしています。
きょうは6年生26人が和紙作りに挑戦しました。

児童
「(紙すき)楽しい」

先生は、大井沢在住の月山和紙職人・渋谷尚子(しぶや・なおこ)さん。

紙屋 作左ヱ門・渋谷尚子さん
「みんな上手にやってくれています」

月山和紙は楮(こうぞ)という植物の枝から繊維をとり、簀桁(すげた)を使って作ります。

この簀桁を揺らし繊維を均一に広げる作業に子どもたちは苦戦したようです。

児童
「和紙を均一にするのが結構難しくて大変だった。
 昔の人はよくこんなのを思いついたなと思った」

児童
「先生が手を離した瞬間ちょっと重くてびっくりした。
 上手くできているかどうか(完成が)楽しみです」

地元の伝統工芸を体験し思い出の詰まった卒業証書。
渋谷さんは、この経験を通して町に誇りを感じて欲しいと話します。

紙屋 作左ヱ門・渋谷尚子さん
「伝統に触れること紙すきをすることは生涯で1回きりだと思うので、
 自分が親になった時に『やったよ』ということを子どもたちに伝えていってもらえたら」

きょう作った和紙の卒業証書は、来年3月の卒業式で渡されるということです。