SPACECOOLの効果は?現地で測ってみました

 先日、7月10日(木)15時ごろにガスパビリオン前のアスファルトの温度を測定したところ48.1度ありましたが、パビリオンを覆っているSPACECOOLの表面温度は34度に抑えられていました。建物の外壁の温度上昇を抑えることで、屋内温度を下げることができ、空調エネルギーの削減に繋がっています。

 また、SPACECOOLを使用した日傘も作られており、ガスパビリオンのスタッフが屋外で使用している他、施設内で販売もされています。(取材時の在庫状況とは異なる可能性があります。)SPACECOOLの日傘をさすと、他の日傘に比べて頭頂部の温度を約3度下げることができるとのことです。

 放射冷却は、冬だけでなくどの季節でも起こっている現象なのですが、その原理を利用すれば真夏にゼロエネルギーで外気温よりも屋内の温度を下げることができるなんて、驚きでした!

大阪・関西万博を機会に、このような新技術が世界中に広がって、猛暑を軽減できるように願っています。

 「進歩の広場」にある木組み格子の休憩所は、「氷のクールスポット」です。建物の外枠には、氷のパネルが内蔵されていて、表面温度を3~8度に保つことで、内部はまるで氷室の中にいるような涼しさを感じることができます。晴れた日:日なたの外気温は33.1度、内部の温度は24.4度(午前中のすいている時間帯)。建物に備え付けられている太陽光パネルで発電した電気を一部利用し、夜間に製氷しています。

 「大地の広場」近くの白く丸みを帯びた休憩所は、「森になる建築」と呼ばれています。建物の表面には植物の種が入った手すきの紙が貼られていて、植物の成長とともに外観が変化していくものです。地中にパイプを通して、土の中で温度が下がった空気を内部に取り込むことで、涼しい空間に仕上げています。晴れた日:日なたの外気温は33.1度、内部(氷なし)の温度は28.6度。

 また、博覧会協会は、パビリオンの待ち時間中などの日傘の貸し出しや、スポットクーラーやミスト扇風機を各所に設置や増設、冷房をつけたバスを休憩所として活用するなどして、熱中症の対策をしています。涼しい休憩所をこまめに利用するなどして、熱中症にならないように気を付けながら楽しんでくださいね。