ことしの7月に那覇市内の認可外保育施設『緑のすず乃保育園』でうつぶせで寝かされていた、生後3か月の乳児が心肺停止の状態となりその後、死亡した問題。
当時、息子を迎えにいった保護者は園長から「横向きにしていたのでちょっと冷たいんですけど」と言われながら渡されたといいます。

こうした中、那覇市は乳児が死亡した保育園に10月11日に立ち入り調査を実施し、結果を公表しました。

それによりますと園は当時、『乳幼児突然死症候群』の予防として、乳児の顔色や呼吸、あおむけに寝ているかなどを定期的に確認しておらず、また乳児は死亡した当時、園長からの指示でうつ伏せの状態で寝かされていたということが分かっていて、突然死に繋がった可能性があります

『乳幼児突然死症候群』とはそれまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気で、生後2か月から6か月に多いとされています。
日本での発症頻度はおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、2018年には全国で60人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっていてます。
絶対的な対策はないとされていますが、あおむけで寝かせることや、できるだけ母乳で育てる事、たばこを避ける事で発生率がある程度抑えられるという研究結果が出ています。

他の園の関係者に話を聞くと、保育園では『乳幼児突然死症候群(SIDS)』が発生する可能性を説明を行い、納得してもらった上で入園の手続きを行っているとしています。
0歳児の特に月齢の低い乳幼児の場合、園内で過ごす時間の大半を寝て過ごすことが多く、体調の変化にも気づきにくいといいます。だからこそ保育士のミスが園児の死に繋がる可能性があり、最も気を使わないといけない部分だと話します。

他の保育園の園長
「乳幼児突然死症候群による死亡は突然死のため、どれだけ気をつけながら保育をしていても起きうることではあります。しかし私たち保育者のミスで命を落とすことは絶対に許されないこと。保育士の業務は多岐に渡り、忙しいのも確かだが、乳幼児の命を扱う難しさを決して忘れずに子どもたちと向き合ってはいけない」

行政からの指導方針として保育園では乳幼児突然死症候群を予防するために、赤ちゃんをうつ伏せにしないことや、睡眠中に0歳児までなら5分に1回、1~2歳児になれば10分に1回ほどのタイミングで様子を確認することが望ましいとされています。