簡単ではない『記憶の継承』
川南さんは、県遺族連合会の女性部長も務めています。
(県・遺族連合会事務局 松下節子さん)「自分たちのやりやすい方法で、語り部をやっていくことを考えてもらえたら」

女性部の集まりで事務局から提案があったのは「語り部活動」でした。ただ、家族内での記憶の継承は、簡単ではないと言います。
(県・遺族連合会事務局 松下節子さん)
「お母さんがいつまでも泣いて、過去のことばかりしていると前に進めない。だからその記憶をわざと無くすということがあったのではないか」

「記憶の継承と簡単に言うが、本当はしたくてもできない。それぐらいつらいこと。だから語り継ぐ人がいない」
川南さんも最近は自分が経験したことが必要とされているかもしれないと感じ始めています。

(川南いく子さん・84)「やっぱり心の中は全部覚えている。小さい時の苦労を。それはあまり話して来なかった。少し学校で話さないといけないかな。これから仕事が多くなるみたい」
多くの遺児を生み出した富山丸の沈没。戦後も残された家族を苦しめ続けた戦争の記憶をどうつないでいくかが課題です。














