政治系切り抜き動画の制作者に聞く

 ネット選挙をめぐっては「動画の収益化」の課題も。選挙演説などを見に行った聴衆がスマホなどで撮影して、候補者の発言の一部(キャッチーな言葉を使っている部分など)だけを切り取って編集・配信することで収益を得ているケースです。TBS「報道特集」の調査によると、こうした切り抜き動画の配信は急増していて、そのチャンネル数は800を超えています(7月3日時点)。

 一体どんな人が作っているのか?約2年前から切り抜き動画を制作し始めたという鈴木さん(仮名)を取材しました。Youtubeチャンネルの登録者数は約3万人で、現在は月20本ほどの動画を副業で制作している鈴木さん。政党や候補者らが配信した会見や演説の映像から、話題になりそうな部分を切り出し約10分に編集しているといいます。

 1か月の収益は「10万円、20万円、飛んで40万円とか。最高で80万円くらい」といい、平均で月30万円ほどの収益を見込めると言います。刺激が強い題名や画像をつけることで再生回数を伸ばしているということですが、こうした動画の切り抜きにルール上の問題はないのでしょうか?

 (鈴木さん)「私の場合は(著作権の)明言をしていない『使ってもいいよ』って言われていないところも使用しているので、ある意味グレーというかブラック。許可は取っていないので無断使用になるので、動画を勝手に使っている。それでお金もうけをしている」

 著作権侵害だとして削除要請が来た場合は動画を消しているといいます。

 (鈴木さん)「公平にというか、できる限りフラットにっていう思いは一応あります。収益だけを目的にしているわけではないですし、BAN(利用停止)されるようなことをしているという事実は存在するので、BANされたらされたでしょうがない」