「今に集中すること。自分に必要なことは何かを常に考えること」

 移住して1年半。英語や文化などを学び、オフはサーフィンや乗馬をするなど充実した日々を過ごし、野球でも「毎日刺激を受けながら成長できている」と語る中で、アメリカ人と一緒に野球をして、実力の差を感じることも多々あったという。

 「アメリカ人とウエイトトレーニングを一緒にやると、すごくフィジカルが強いので力の差を感じます。毎日を普通に過ごせば差は開くばかり。その差を埋めようと考えた時、いかに効率良く自分に必要なことをやるかが大事だと思いました。そう感じた日から日記をつけて、自分の取り組みを文字化して整理するようにしています。また、野球は道具を動かす速さが必要なスポーツ。どうしたら体が早く動かせるかを意識して、瞬発系の種目を多くやっています。高校時代は何も考えてなかったので、精神面でも進化しているかもしれないです(笑)」
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 そして武元は、元プロアメフト選手の栗原嵩の個別トレーニング指導も受けた。ハワイ在住の栗原は、アメフト選手に軸を置きながらも2020年にはボブスレー日本代表に選出されるなど、高い身体能力を武器に活躍してきた万能アスリート。その豊富な経験と知識から早稲田大学ラグビー部や明治大学野球部など、競技の垣根を越えて数々の名門を指導してきた実績を持つ。そんな栗原に指導を仰ぎ、189センチ・95キロの恵まれた体を自分が思うようにコントロールし、パフォーマンスに生かすことを目指してきた。

 「トレーニングで体が少しずつ強くなり、イメージ通りに動かすことができるようになってきました。そして、投球ではファーストストライクとキープアタッキング(常に積極的に攻めていく)を意識して今回は良い結果が出ました。これからも常に自分に何が必要かを考えて、まずは来年(2025年)7月のドラフトに向けて、“今”自分がやるべきことにフォーカスして毎日を過ごしていきたいです」