日本のプロ野球を経験せず、直接MLB、メジャー球団入りを目指す異例のルートを選んだ武元一輝。日本時間の15日、名門「オークランド・アスレチックス」が、ドラフト19巡目で武元を指名。夢がまた一歩、近づいた。
夏の甲子園に2度出場し、智辯和歌山を卒業して米・ハワイ大学に進学した武元。投手として最速151キロ、打者として高校通算20本塁打を記録、昨季のドラフト候補にも挙がった二刀流の逸材が、幼少期から憧れたメジャーリーガーを目指すために異例の挑戦を決断した。筆者に思いを語ってくれたのは、2023年のこと。
進路に迷う武元に、声をかけた中谷監督
夏の甲子園を終えて、進路に迷っていた武元に米大学への進学を勧めたのは、智辯和歌山の中谷仁監督だった。武元にこのように声をかけたという。
「今でもプロに行けるだろう。でも、将来を考えたら、大学で自分を磨いて、大きな舞台で活躍する選手になって欲しい。アメリカに行く選択肢はどうか?」
中谷監督自身、プロ野球・阪神タイガースや楽天、巨人などを渡り歩き、引退後は少年野球の指導者などを務めた後に母校・智辯和歌山の監督に就任。甲子園で優勝を果たすという異例のルートをたどっている。