この夏、セミはいつ鳴く?

ー今年の夏は、この後どうなるでしょうか。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「セミの幼虫が絶滅したわけではないはず。今も地中で『羽化するぞ!』スイッチが入るのを待っている幼虫がいるはずです。

 これから適度に雨が降り、気温がいったん下がってくれれば、クマゼミもアブラゼミも一気に羽化し、いつもの騒がしい夏が戻ってくるかもしれません」

「しかし、このまま暑い日が続いて雨も降らなければ、幼虫のまま死んでしまったり、慌てて羽化して力尽きるものが増えたりして、静かな夏のまま終わるかもしれません。

 そうなると、数年後の夏にもセミの鳴き声が減ってしまうでしょう」

「毎年、早朝から安眠を妨げるほど大音量で鳴いていたセミ。セミの鳴き声も夏の訪れを教えてくれる自然の一つ。そんな喧噪も恋しく感じる、静かな朝が続きますね。

 本来なら、土の中で4年以上も過ごし、ようやく訪れた短い夏に恋の季節を迎えるセミたち。彼らが紡ぐ命の時間の長さに思いを馳せながら、響き渡る大合唱の日を楽しみに待ちたいものですね」