撮影開始
2025年2月、ついに撮影が始まりました。タイトルは『渡る世間は鬼ばかり 番外編~いつの世も親は親、子は子』。
偶然にも、今回出演してくださった俳優の皆さんが、それぞれの役柄と自分自身の人生を重ねるようなタイミングでした。
愛を演じた吉村涼さんは、いまや本当のお母さんになっており、誠役の村田雄浩さんは、実生活で年頃の娘さんを育てるお父さんです。そして、さくら役の安藤美優さんは、まさに今年、大学に入学したばかりの18歳でした。
現実の人生と役が自然に重なり合うことで、セリフの一つひとつに深みが生まれ、AIが書いた脚本に、豊かな“心”が吹き込まれていきました。
演技を通して彼らが宿してくれた“人間の温度”こそ、この作品を物語として成立させた大きな力だったと思います。
放送とその反響
そして5月11日、BS-TBSで放送されました。
放送前は、「AIが脚本を?」ということで、否定的な声や懐疑的な意見も多く、SNSやメディアでも賛否が分かれていました。
けれど、いざ放送が終わってみると、視聴者の反応は想像以上に温かく、私たちも胸をなでおろしました。
「まさに“渡る世間”らしかった」
「セリフにグッときた」
「思わず涙が出た」――
そんな感想が多く寄せられ、AIという言葉に抵抗のあった方々にも、「これなら受け入れられる」「技術より、作品に心があることが大事なんだ」と感じていただけたようです。
脚本にどのくらい人間の手が加わっているのか、というご質問もよくいただきます。
とくにプロデューサー・石井ふく子さんから「この台本には心がない」と言われたあとの直しの作業は、AIだけでなく、人間の知恵も総動員して進められました。構成の見直し、感情のプロセスの挿入、新しいシーンの追加など、試行錯誤の連続でした。
あえて比率で言うなら、完成稿に至るまでの“修正作業”は、AIと人間でざっくり半分ずつくらいの割合だったように思います。
AIが出したアイデアを人間が読み解き、人間が出したアイデアをAIにふくらませてもらう――そんな“共創”のプロセスが、今回の脚本づくりの核になっていました。














