■ロシア側は事態をどう捉える~ロシア住民の認識

ロシア側は事態をどう捉えているのでしょうか?ロシアの世論調査機関(独立調査機関レバダセンター)によると、緊迫化するウクライナ情勢の原因について50%の人が「アメリカ・NATOが悪い」と回答しています。「ウクライナが悪い」と回答した人が16%、「ロシアが悪い」と回答した人は4%となっています。

実際にロシア国民はどう思っているのか?話を聞いてみました。

ーーウクライナ東部で緊張感が高まっている。責任はどこにある?

ロシア国民女性:
「緊張が高まっているというのは作り話で、危険なことなんて起こりませんよ。捏造された問題が無ければウクライナとは良い関係だったのに...」

ロシア国民男性:
「意図的に緊張を高めている人がいる。ウクライナ人も私たちも人質のような存在です。バイデン大統領は世界最高の権力者だとアピールしたいんですよ」

■ロシア側は事態をどう捉える~駐日ロシア大使の認識

金平茂紀キャスターが、ミハエル・ガルージン駐日ロシア大使にロシア政府としての認識を伺いました。

ガルージン駐日ロシア大使:
「ロシアはNATOの拡大という安全に対する大きな脅威に直面しているため、自国の防衛力の維持と向上を行わなければなりません。ですから、国のあちこちで軍事演習を行っています」

金平キャスター:
「ただ、あらゆる軍事演習全てが防衛的なものだとは限らないですよ」

ガルージン駐日大使:
「なぜ?金平さんは軍事専門家なのですか?」

金平キャスター:
「軍事演習の性格をどう見るかというのは、当事者によって違うんです」

ガルージン駐日大使:
「(軍事演習の目的については)ロシア国防省が正式に公表しています。マスコミの皆さんはロシアの正式な公表ではなく、でたらめなアメリカの発言を引用しています。アメリカはロシアの行動について判断する立場にないんですよ。自分の犯罪的な侵略歴が極めて長いから、黙った方がいいですよ。あの国は!(怒)」

ロシア側は“国を守るための演習”であることを強調し、アメリカなどの西側諸国を痛烈に批判する形です。なぜロシアはウクライナにこだわるのでしょうか?

第二次世界大戦時にウクライナはナチスドイツとソ連軍の主戦場となり、数多くの戦死者が出ました。そのため、ロシアは「ヨーロッパをナチスドイツから解放するための礎となった場所」としてウクライナを重要視しているのです。

ガルージン駐日大使:
「我々はウクライナとロシア、ベラルーシは1つの国民であると考えています。ロシアとウクライナ、2つの国は人間的・文化的・言語的・経済的・政治的・親族的にとても緊密に結び付けられている国だと考えています」