■シナリオ2 プーチン大統領の失脚
もう一つのシナリオは、プーチン大統領失脚のシナリオです。イギリス キングス・カレッジ・ロンドンのローレンス・フリードマン名誉教授は「首都キエフで政権交代が起こる可能性と同じくらいモスクワで政権が変わる可能性も出てきた」とここまで踏み込んでおっしゃっています。というのも、何千人ものロシア兵が亡くなり、経済制裁もかなり厳しい状況になってきました。ロシア国民の支持をプーチン大統領が失う、自分の座を奪われるかもしれないという危機感を持つ。国民のデモとそれに対する弾圧が繰り返され、国内情勢が悪化する。これはまさしくプーチン大統領を孤立化させるために国際社会が今狙っていることではあるんですが、これが進んでいくと、内部のクーデター、そして幹部やエリートなどが離反し、プーチン大統領と対立する。ここがたもとを分かつことになると、市民全体、国民全体が民衆蜂起ということになるのか。
この可能性がどこまでシナリオとして出てくるのかというところです。
ホランキャスター:
確かにプーチン大統領に対する不満が高まるということはあるんだと思うんですが、それを公にすることのリスクというのも大変大きいと思うんです。となると失脚の可能性というのはどれぐらいあるものなんでしょうか?
星コメンテーター:
難しいですね。ただロシアという国は、ある日突然クーデターとかが起きることありますよね。1991年にクーデター未遂があり、ソ連崩壊の引き金となったこともありましたけど、そういう状況がありますので、弾圧されてるから当分動きがないんだと思い定めちゃうのもちょっとどうかと思いますので、その辺は詳細を注意深く見ていく必要があると思います。
井上キャスター:
強く押さえつけているからこそ、ぱっと一気に動くことがありうると。
星コメンテーター:
特にこのSNSの時代に民意がどういう形で吹き出すのか、その辺は今まで経験のないことですからね。