1996年(平成8年)に東京・お台場で開催される予定だった「世界都市博覧会『東京フロンティア』」は、東京都が主導し最先端の都市像を世界に発信することを目的とした一大プロジェクトでした。しかしバブル崩壊後の経済情勢の悪化、巨額の税金投入への批判、そして1995年(平成7年)に誕生した青島幸男都知事の中止表明により、開催まで1年を切ったところで正式に中止されました。(アーカイブマネジメント部 森 菜採)

東京・臨海副都心開発の起爆剤として計画

東京都の好調な財政状況を背景に1989年(平成元年)に「都市博」の開催が決定しました。しかし1991年(平成3年)頃からのバブル崩壊で目算が狂い、さらに資材高騰などの課題を抱えます。

そんな中、パビリオン出展を呼びかける企業説明会なども開かれました。しかしバブル崩壊に伴う都の財政悪化の影響で、副都心そのものの建設が予定通りに進むかどうかも微妙な事から、参加者の中にはやや不安そうな表情も見られます。