きょう6月23日は「沖縄慰霊の日」です。太平洋戦争の沖縄戦では、鹿児島県出身者2931人が戦死しました。亡くなった家族に思いを馳せる県内の遺族を取材しました。
きょう6月23日は、20万人を超える犠牲者を出した沖縄戦から80年の「沖縄慰霊の日」です。組織的な戦闘が終わったとされる日で、沖縄では23日、追悼式が行われました。
これに先立ち、鹿児島市では22日、犠牲となった県出身者2931人を追悼する慰霊祭が開かれました。
沖縄戦で亡くなったひとり、永田利夫さん(当時19)は終戦の年に特攻隊員として沖縄に出撃し、戦死しました。

(弘さん)「沖縄まで行って、敵艦に飛び込んだみたいですって」
利夫さんの弟・弘さん(80)と妹のトシ子さん(85)です。兄・利夫さんを偲んで、十数年前に沖縄に足を運んだことがあります。
(弘さん)「(当時の映像をみれば)沖縄までよく行ったなと感心する」
(トシ子さん)「(石碑に犠牲者の名前が)書いてあり、永田利夫とあった。『あ、あったー』と。ということは、やっぱり沖縄に行って死んだんだって」
兄が出撃したときは生後数か月で、兄の記憶がないと話す弘さん。「戦争と平和を後世に伝えていきたい」との思いで、自宅の敷地内に石碑を建てました。

(弘さん)「全然(兄のことを)覚えていないが、話をきいて終わるのではなく、子どもたちにも伝えるのが石碑。沖縄で亡くなったのは兄貴ひとりではない。みんなの追悼がしたい」
80年前の記憶をつなごうと、鹿児島からも追悼の思いが届けられています。