冷凍処理には注意が必要
厚生労働省は「マイナス20度以下で24時間以上冷凍」するとアニサキスは死滅すると紹介しています。肝心なのは、冷凍庫に入れてから24時間ではなく「魚の中心部分までしっかり冷凍してから24時間以上」ということです。また、家庭用の冷凍庫だとマイナス18度に設定され、マイナス20度まで達していないケースが考えられます。仙台市生活衛生課は「薄い身の場合は中心までしっかり凍らせることができるし、逆に身が厚いと中心までしっかりと冷凍することが難しくなる」と説明。冷凍処理についてはケースバイケースで難しいようですが、中心部分までしっかりと凍らせ、長時間冷凍することが必要となります。

旬の魚を刺身で味わいたい場合、冷凍処理すると食味が落ちてしまうことが考えられます。生の魚をそのままさばく際、有効な対策は、やはり「目視」です。このときも身を薄くすることで発見しやすくなると言います。魚が新鮮なうちに内臓を取り除いておくことで、アニサキスが身に移動するのを防ぐこともできます。カツオなどは内臓側の身はアニサキスが移動しやすく、背側の身の方が安全度は高いと言えるそうです。

厚生労働省が公表しているデータによると去年(2024年)のアニサキス食中毒の患者数は337人で、4月が最も多い47人、次いで6月37人、5月33人などとなっています。アニサキス食中毒は、統計上、2012年までは「その他」に分類されていましたが、2013年から個別の集計が始まり、ここ数年で注目されるようになりました。新鮮な魚介類を楽しく安全に味わうためにも、激痛を引き起こすアニサキスには要警戒です。