国の責任“認めず”同様の判決相次ぐ

原発事故をめぐる初の最高裁判決以降、後続の裁判では、原告側に厳しい判断が続いています。

去年4月、いわき市民などが、国と東電を訴えた裁判で、最高裁が上告を棄却し、国の責任を認めない二審の判断が確定しました。

また、下級審でも、同様の判決が相次いでいます。一審で国の責任が認められていた京都や東京、神奈川の裁判でも、二審で住民側が逆転敗訴となる判断が続いています。

こうした現状の中で、いまも審理が続く裁判の中には、新たな主張をする動きも出ています。津島訴訟では、国が率先して原発を推進した背景から、「実質的に国が設置した」と位置づけた上で、「過酷事故に対する危機意識を持っていなかった」と主張しています。

その一例として、旧原子力安全・保安院が2006年と08年に、アメリカの過酷事故対策について、調査していたことを挙げています。これは、アメリカからの連絡を受けて行われた調査でしたが、「保安院は必要性や緊急性が薄いとして、無視してしまった」と原告側は主張しています。

この主張に対し、国や東電は争う姿勢で、裁判所の判断が注目されています。14年が経過してなお、原発事故の責任を問う闘いが続いています。