那覇市役所裏で発掘が進む「湧田村」。どうして那覇の中心地ともいえる場所でこうした遺跡が土に埋もれたままになっていたのか―
那覇市役所 文化財課 天久瑞香(あめく みずか) 学芸員
「遺構が出ている高さから、だいたいこの辺くらいまでですかね、この辺くらいまでが、米軍が整地していると考えられる高さになりますね」
沖縄戦によって灰燼に帰した那覇のまち。アメリカ軍が、1メートルからおよそ2メートルにわたり、土を入れて埋め立てたことから、遺構は損傷を免れたと考えられています。
調査が終盤を迎えた先月、その結果を市民に還元しようと、現場では見学会が行われました。 参加者の中には、湧田村近くに住んでいた女性もー。
女性「これスンカン(どんぶり)でしょ。どこのうちでもね、お汁茶碗はこれだったよ。これ以外はみたことなかった。ひょっとしたら、私の家のもんじゃないかね 」

参加者は
「トイレになる部分とか、排水溝の部分とか、いろいろご説明いただいて、その時代の生活の匂いを感じられました」
「石積みがグスク跡を想起させるイメージでさすが沖縄だと思いますよね。見てよかったですよね」

那覇市役所 文化財課 天久瑞香(あめく みずか) 学芸員
「(新たな建物が建つため)現地からはなくなってしまうということなんですね。ここで見られなくなっても、見学会ではないが展示で遺物を展示したり写真を展示したり考えているので、もっと多くの人に遺跡を紹介できればと思っています」

発掘調査 沖縄戦によって消失し、地名さえ消えた湧田村。人々の営みの跡は、今もまちの地下深くに眠っています。
湧田焼の企画展は今月(11月)27日まで那覇市の壺屋焼物博物館で開かれている。