「持ち家/賃貸」「厚生年金/国民年金」を使った試算も

 永濱氏・井出氏が口を揃えて「意味がない」と主張する「老後〇万円問題」ですが、老後に必要な資金を考える上で、何かしらヒントになる指標はないのでしょうか?

 ここでは、条件は限定的ですが、厚生年金と国民年金の差、持ち家と賃貸の差などを参考にした、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子氏による試算を紹介します。

 モデルケースとして、夫が40年間勤務、妻がずっと専業主婦という60歳の夫婦が、60歳~85歳の25年間で必要なお金はいくらなのか、「持ち家(ローン完済)or 賃貸(家賃8万円)」「厚生年金 or 国民年金」という条件別に見てみると、次のような数字が出ています。

 <持ち家の場合>
 ▼厚生年金:約836万円
 ▼国民年金:約3661万円
 <賃貸の場合>
 ▼厚生年金:約2707万円
 ▼国民年金:約5532万円