川崎市でストーカー被害を訴えていた女性が殺害されるなど、DVやストーカーをめぐる事件は、全国で後を絶ちません。北海道内におけるDV被害者の生の証言から、支援のあり方を考えます。(HBC報道部:貴田岡結衣記者)
◆《「パパから殴られて…」自分の意思を奪われた絶望》
北海道内にあるマンションの、一室。ここはDV被害を受けている人を一時的に保護する施設、シェルターです。咲さんは今から4年前、3人の子どもを連れて、このシェルターに逃げ込みました。
咲さん(仮名・30代)
「子どもたちと4人になったときに『ママ…実は、パパから殴られてたんだ』ということを言って。子どもの1人は『知ってた』と、もう1人は『転校になってもいいよ』って。そしてもう1人は『10何年間も、ママ独りで我慢して、なんで隠していたんだ」って怒って泣いたんですよね』
元夫から10年以上にわたって受けてきた暴力。咲さんは、外で働くことも禁じられ、経済的にも、精神的にも支配されていました。
咲さん(仮名・30代)
「馬乗りになって顔を拳で何発も、ずっと殴られ続ける。財布と携帯電話を、風呂にはってあったお湯に沈められて『お前、逃げられると思うなよ』って言われたことがあって…」
「何かを選んで、決めていく権利がないんだっていうことへの絶望のほうが、顔や身体への痛みよりも、かなり苦しくて辛いものだった」