美容外科に若い医師が集中する傾向
医療界だけの話ではないかもしれませんが、“若い人材がいない”ことも課題となっています。今村教授によりますと、まず、都会に医師が集中し、地方に行く医師が少ないということです。また、小児科や産婦人科などにも偏りがあり、今後さらに減っていく可能性があると指摘します。
一方で、待遇が良く就労リスクの少ない美容外科に若い医師が集中する傾向になっているようです。美容外科はあまり残業がなく、救急もないことや、自由診療は医師が価格を決めることができるため“お金が入りやすい”など、働き方を考えて若い医師たちが選択しているということです。
今村教授によりますと、医師の長時間労働でこれまで維持されていた医療体制が、働き方改革で“破綻”へ…という面も。医師が「聖職」から「労働者」となり、やりがいよりも“条件の良い職場”へ行く流れになっていて、使命感だけでは続けられない人が増加しているということです。
さらに、病院の老朽化も進んでいます。1980年代、病床規制の導入前に全国で病院の建設ラッシュがありました。そして現在、建て替えの時期に来ていますが、建築費はかつての倍に高騰していて、財政難で困難という病院もあるようです。