過去の給付に効果はあったのか?リーマン、コロナ禍の事例

過去の例と効果を振り返りましょう。記憶に新しいのは、2020年の新型コロナ感染拡大時に、国民1人当たり10万円が給付されたケース。この財源12兆8000億円は全額赤字国債で賄われました。それ以前の2009年のリーマンショック後には経済対策として1人1万2000円(総額2兆円規模)が配られました。また、2025年の物価高対策として、住民税非課税の低所得者世帯に対し、1世帯当たり3万円が支給された事例(総額4900億円規模)もあります。

これらの給付金はどの程度消費を押し上げたのでしょうか。内閣府の消費増加効果では支給金額のうち実際に消費に回ったのは、リーマンショックの際で25%相当、コロナ時は22%程度(支給5週間前~10週間後)、残りは貯蓄などに回ったとみられています。

給付に似た政策として、1999年に地域振興券1人2万円分の商品券(7700億円)が配布されました。使用期限があって貯蓄しにくい仕組みでしたが、それでも消費を押し上げる効果は約32%に留まったといいます。なぜなら商品券が使われたため、本来使っていた現金を使わなかったと考えられています。2024年に行われた1人4万円の定額減税(3兆2840億円減税)について、みなさんは効果を実感していますでしょうか?