『給付はバラマキ?』実は減税も同じ?似た点と違う点

まず『給付も減税も形は異なりますが、国の財布の中身は同じ結果』という指摘があります。国の財布からお金が出ていくのが給付。入ってくるはずのお金が入らないのが減税。財布の中が「元々の予定よりも減ってしまう」影響がある点では共通していて、どちらがバラマキか否かなどは一概に決めつけらないかもしれません。

いっぽう両者の性質は異なっています。現金給付案の財源として有力視されているのは、国の税収が当初の見込みを上回った「上振れ分」です。2023年分の税収は2.5兆円程度の上振れが見込まれています。24年はさらに上振れするだろうとも言われていて、もし3兆円から4兆円規模に達するのであれば、国民1人あたり3万円程度の給付が可能になるのではとされています。

一方、消費税減税は、仮に食料品8%の消費税率を0%にした場合、年間で約5兆円の税収減が見込まれ、その分の財源が必要になります。また、消費税率を1ポイント引き下げるごとに、約6000億円の税収が減るとの試算もあります。

さらに大きな違いとして、現金給付は「一度きりの措置」ですが、消費税は一度引き下げると、例えば、食料品税率を0%にした後、数年後に再び8%に戻すとなると、政治的にもインパクトが大きくなりそうです。