コメの輸入はリスク大!?

 世界で多くのコメが作られているなら、輸入は簡単…と思いきや、そうでもなさそう。コメを輸入する上で心配材料が2つあります。

 1つ目はコメの種類です。コメには主に長粒種・短粒種があり、長粒種はタイ米などで、日本で主流となっているは短粒種です。しかし世界で作られているコメの7割は長粒種で、短粒種は実は全体のたった2割(残り1割は中粒種)。つまり世界で生産されているコメの多くは日本人好みではないため、輸入しても需要が少ない可能性があります。

 もう1つの懸念材料は、コメの輸入状況です。生産量上位2か国の中国・インドは主に国内消費のために作っていてほとんど輸出していません。日本人好みの短粒種・中粒種のコメを生産・輸出しているのは、日本よりも生産量が少ないアメリカ(生産量692万t)、台湾(102万t)、オーストラリア(45万t)のほか、タイ(2000万t・その多くは長粒種)の4か国のみ(数字は2023年の生産量・米国農務省データより)。

 また、世界のコメ生産量は合計で約5億tですが、そのうち貿易(輸出)に回るのはたった8%です。こうしたことを考えると、日本が輸入に頼るのはリスクが高いと専門家は指摘しています。