岐阜県高山市の乳製品製造業者「飛騨酪農農業協同組合」が、約24億8500万円の負債を抱え破産手続きの開始決定を受けたことが、6日、帝国データバンク富山支店の調べでわかりました。
飛騨酪農農業協同組合は、1929年に地元業者間の競合を避けるため、三福寺牛乳購買利用組合として創業しました。その後、1949年に法人改組し、「飛騨牛乳」ブランドで全国に販路を広げていました。
2015年3月期には、年間売上高が約42億3400万円に達し、ピークを迎えていたとみられています。しかし、2009年2月に本店工場を新築した際の設備投資負担が重くのしかかり、長年にわたって収益改善に苦心したとみられます。
近年は、出資者の減少や飼料などの資材価格高騰に直面し、厳しい経営環境に置かれていました。そのため、農業協同組合としての事業形態を見直し、飛騨牛乳ブランドを維持するための新たな道を模索していました。
具体的には、2025年3月31日に予定されていた総会で出資者の同意を得て解散し、新法人の設立を目指す計画でした。しかし、スポンサー企業が現れず、2025年2月の時点で事業継続を断念。その結果、今回の破産手続きに至ったとみられます。
飛騨酪農農業協同組合の負債総額は、2024年3月末時点で約24億8500万円に上るとみられます。