地震などが起きた際、人工呼吸器などの医療的ケアが必要な人たちの命を守ります。
災害時の停電に備えようと、中古車販売店に並ぶ車のバッテリーから電力を供給する実証実験が、6日に仙台市で行われました。

仙台市宮城野区の中古車販売店で行われた実証実験では、災害時の停電を想定し、店頭に並ぶ車のバッテリーから直接、電力が供給できるか確認しました。

バッテリー監視サービスを手がける「イーコース」は、停電して電気が使えない場合、医療的ケアが必要な人たちが優先して無料で利用できる給電拠点を全国に設置しています。

人工呼吸器や吸引器などの医療的ケアで命をつなぐには、1人あたり約300ワットの電力が必要とされています。

実験の結果、電流の変換装置を通してトラックや乗用車、軽乗用車のバッテリーから、それぞれ600ワットまで問題なく使用できました。

医療的ケアが必要な患者の家族:
「非常用電源についてすごく関心が高いし、命に直結するので地域の企業が参加してくれるのはすごくありがたい」

医療従事者:
「いくつも各地域に給電拠点があると安心感がより強まると思った」

イーコース 菊竹玉記社長:
「難病患者は災害弱者として取り残されてしまう。地域の企業との助け合い、連携することはできると思うので、力をいれていきたい」

現在、給電拠点には、県内の物流会社3社が協力していて、今回、中古車販売店が初めて加わり、拠点は県内7か所となりました。今後、全国で給電拠点を増やし、災害への備えを進める方針です。

給電拠点は、スマートフォンやパソコンから「電源ドナー」と検索するとその位置を確認することができます。
宮城県のほかには現在、愛知県に1か所あり、東京都内でも今後、設置予定だということです。これから、ますます増えることが期待されます。