
さらに、新たな取り組みとして…藤田さんが訪ねたのは、長野市のそば懐石の店。
信州産のてんさい糖を県内の店で料理や菓子に使ってもらい、その可能性を確かめようというのです。
紡ぎも協力店の一つで、この日、大将の町田哲也さんは試作の真っ最中でした。

紡ぎ 町田哲也さん:「揚げそばがきを、てんさい糖を入れたちょっと甘辛いタレで絡めるか。コクがあるので、絡めるとちょっと強い気もしていたので、ソースみたいにかけるのか…」
町田さんは、信州産の食材とそばをかけ合わせたコース料理に馴染みつつ、てんさい糖のコクや甘みが引き立つ料理を出したいと考えています。
紡ぎ 町田哲也さん:「砂糖の甘さプラス味がある感じ。料理で砂糖を使うが、それを全部てんさい糖に変えたら多分上手くいかない。そこが難しいところだし、面白いところだと思う」
てんさい糖のソースを合わせた揚げたそばがきと、溶かしたてんさい糖にソバの実を混ぜて冷やし固めたお菓子。

2品を藤田さんに試食してもらいました。

藤田さん:「揚げているのがいい。そばの味も感じなきゃいけないし、砂糖が勝ってもダメだし、ソバが勝ってもダメだし…」
町田さん:「もう少し試作を重ねてみます」
同じように信州の食材にこだわる町田さんも、信州産の「砂糖」に期待を膨らませています。
紡ぎ 町田哲也さん:「信州に砂糖が生まれるというこの時点ですごいこと。プロの料理人・職人が最初は手にするものかもしれないが、それから一般の人たちにも家庭で使ってもらえるところまでいければ最高じゃないですか?可能性はすごくあると思う」
藤田さんの活動に賛同し、今回コラボするのは11店舗。

生地にてんさい糖を入れたマドレーヌや、てんさい糖のソースをかけて食べるパンケーキなど、様々な形で、信州産の砂糖を味わえます。

藤田さんは、コラボを通して、より多くの人に、信州の「砂糖」を知ってもらいたいと考えています。
藤田治さん:「各店舗3キロずつしかないので、無くなったら即終了。早めに行ってください。そば・リンゴ・てん菜と言われるぐらいの産地にしていきたい。死ぬまでに出来たらいいかな」

おととし(2023年)、植えたてん菜から採った種が今年、ようやく芽を出しました。信州の「砂糖」作り。藤田さんは、一歩一歩、進んでいきます。