「黒潮大蛇行が、終息する兆しがある」と、5月に気象庁から発表されました。カツオやマグロなど豊富な魚がとれる高知では、大蛇行の「終息」で漁獲量は減るのでしょうか?それとも増えるのでしょうか?調査機関に聞きました。
「黒潮大蛇行」って?
「黒潮」は、日本の南岸に沿って流れる海流です。世界でも有数の流れが強い海流で、流速は速いところで毎秒2m以上、運ばれる水の量は毎秒5000万トンに達し、その流れの変化が、船舶の運行や漁業、沿岸の潮位に大きな影響を及ぼしています。
その「黒潮」は時折、紀伊半島~東海沖で日本列島から大きく離れて流れることがあり、これが「黒潮大蛇行」と呼ばれています。

気象庁は、黒潮が以下の2つの条件を満たして流れる時を「黒潮大蛇行」と判定しています。
①本州最南端の潮岬(和歌山県)で、黒潮が安定して岸から離れていること
②東経136度~140度の東海沖で、黒潮の流れの最南下点が「北緯32度より南」に位置していること
気象庁は1965年から観測データを取っていて、観測を開始した1965年以降で黒潮大蛇行は6回発生しています。黒潮がいったん大蛇行を始めると、多くの場合は1年以上持続しますが、今回の大蛇行は2017年8月に発生し、2025年4月時点で「7年9か月」続いていて、過去最長となっています。
黒潮大蛇行が発生すると、高知県沖を流れる黒潮は、西の足摺沖では岸に近づき
、東の室戸沖では岸から離れます。カツオはもちろん、マグロ、サバ、キンメダイなどなど…様々な魚が豊富に獲れる高知では、黒潮大蛇行が漁業にどのような影響をもたらしていたのでしょうか。