不漁だったキンメダイ、サバ、ソウダガツオ(メジカ)は回復するかも…!?

大蛇行発生後の漁獲量は、年間平均で、ソウダガツオは約5割、キンメダイは約4割、ゴマサバは約3割に減少しています。

【ソウダガツオ(メジカ)】…約54%に減少
◆大蛇行前(2010~16年):年間平均3766.6トン
◆大蛇行後(2018~24年):年間平均2019.4トン

【キンメダイ】…約41%に減少
◆大蛇行前(2010~16年):年間平均324.2トン
◆大蛇行後(2018~24年):年間平均132.6トン

【ゴマサバ】…約27%に減少
◆大蛇行前(2010~16年):年間平均365.9トン
◆大蛇行後(2018~24年):年間平均98.8トン

これらの不漁は漁業者が減少したこともあるということですが、「大蛇行」の影響としては、次のような理由が考えられるといいます。

【大蛇行発生で漁獲量が減少した要因】
▼暖かい海水を運んでくる黒潮が蛇行して沿岸から離れたことで、水温が低下し魚の回遊ルートが変化した
▼黒潮の流れが滞ったことで栄養が豊富な海洋深層水が流れてこなくなり、漁場が悪化した(キンメダイ)
▼海流が弱まったことで、エサとなる生き物が滞留して飽食状態となり、漁に使う撒き餌を食べなくなった(メジカ)

高知県水産試験場によりますと、大蛇行の終息によってこれらの要因が解消され、漁獲量が回復する可能性があるということです。

ただ、これらは、あくまでも大蛇行の前と後を比較した”結果論”。黒潮大蛇行が終息したからと言って、すぐに7年前の海に戻るわけではないので、高知県水産試験場は、引き続き調査を続けていくとしています。

なお、黒潮大蛇行の「終息の兆し」は5月9日に発表されましたが、気象庁は「大蛇行が見られない状態が3か月以上続けば、終息したと判断する方針だ」としていて、「終息」の判断は8月ごろになりそうです。