現在、長野県内の農家のおよそ8割が、農業のほかにも仕事を持ついわゆる「兼業農家」とされます。そうした中、安曇野市には、学業との兼業で農業に奮闘する若者がいます。その働きぶりとは?

「メイン(の枝)に一番栄養が行くように、1番下とか2番目当たりの枝はこうやって切っちゃってあげます」

伸び盛りの、トマトの苗。わき芽を取り除き、支柱に固定していきます。

川下大翔さん:「植物って自分が手を加えた分だけ応えてくれるので、それが楽しいから。今もそうだし、昔からずっとやってるかなっていう感じですね」


川下大翔さん。2006年生まれの19歳、この畑の主です。

「(何歳から畑に?)4歳ですね。僕の祖父が管理してた頃は、田んぼも自分一緒にやってたので、一緒にトラクター乗ったり、あとは畑に入って収穫を手伝ったりしながら」

母方の祖父の影響で、いつしか農業のとりこに。その祖父が4年前、体調を崩したのをきっかけに高校1年生だった大翔さんが畑の跡継ぎになりました。

この春からは山梨県内の大学に進学して経済学や経営学を学ぶかたわら、「まごころファーム」と名付けた安曇野市内にある5か所の畑で農業に取り組んでいます。

すなわち、「大学生」と「農家」の二刀流!学業と農業という“兼業農家”なのです。


こちらは、収穫期を迎えたレタスの畑。

川下大翔さん:「今年は出来栄え的には、何も管理してないんですけど、よくできてるかなという感じです」

畑を見回すと、少々、雑草が伸びているようにも見えますが…これも異色の“兼業”だからこそ。

川下大翔さん:「一番の理由としてはコスト削減をしたいので、なるべく農薬使わないで自分のもとに入ってくるお金の量を増やすってところで。自分1人でやっているので、来年度の次の資材投資とかもあるので、その辺も考えながらやってますね」


平日は大学の授業があるため、農作業は週末が中心。不在の間の水やりだけは両親に頼んでいるものの、基本的にすべての作業は大翔さんが1人で行います。

制約がある中でもしっかり収穫につなげられるよう、何に時間とお金をかけるべきかを見極めているといいます。

ただもちろん、うまくいくことばかりではありません。今月上旬、夏野菜の種をまいてあった苗床に、悲劇が…。