バーシムvs.ウ サンヒョクのアジア2強対決に加わりたい真野
対決が盛り上がるのは男子走高跳だろう。世界歴代2位の2m43を持つムタ エッサ・バーシム(33、カタール)、2m36のアジア歴代5位タイを持ち、地元期待のウ サンヒョク(29、韓国)。そして2m31(日本歴代4位タイ)を持つ日本期待の真野友博(28、九電工)の対決が実現する。
バーシムは、自己記録の2m43を跳んだのは11年前の14年だが、18年まで2m40以上を跳び続けた。2m40を跳べなくなっても21年東京五輪、22年オレゴン世界陸上と連続金メダル、昨年のパリ五輪も銅メダルと3位以内を続けている。
ウ サンヒョクは17年に初めて2m30を超えたが、さらに一段階レベルが上がったのが21年。東京五輪で2m35を跳んで4位に入賞して以降だ。22年は室内で2m36を跳ぶと、オレゴン世界陸上は2m35で銀メダルを獲得。23年ブダペスト世界陸上6位、24年パリ五輪7位と入賞を続けている。
2人の対決は13勝2敗とバーシムが大きく勝ち越しているが、ウ サンヒョクの2勝は22年、23年と5月だったし、昨年も5月に同記録で1、2位の試合があった。今の2人は、5月の試合では互角か、地元の利もある禹が少し有利かもしれない。
2人の実績には及ばないが、真野もオレゴン世界陸上で8位と、この種目で世界陸上日本人初の入賞をやってのけた。23年ブダペスト世界陸上、24年パリ五輪は決勝に進めなかったが、今年は4~5月の試合で過去2年と比べ2~3cm記録が上がっている。
5月18日のゴールデングランプリでも2m27で優勝。「今回も2m30以上を狙っていたので、次のアジア選手権ではもう一段階上げていきたい」とコメントした。アジア選手権のバーの上がり方は2m23、26、29、31、33と発表された。真野は2m33の世界陸上参加標準記録を跳ぶことが最大の目標だが、現時点でもRoad to Tokyo 2025(標準記録突破者と世界ランキング上位者を1国3人でカウントした世界陸連作成のリスト)で、12位(1220点)と安全圏に位置している。2m23で6位以内なら間違いなくポイントが上がる。2強の争いに加わることに、のびのびと挑戦できるだろう。