「先住民との偶然の出会い」
トンガリロは先住民マオリの聖地。その文化や暮らしを取材するためにある集落で撮影することになっていたのですが、取材日の直前、集落で不幸があり撮影ができなくなってしまったのです。
そして、取材を諦めかけていたディレクターがパブでビールを飲んでいた時でした。突然、マオリの初老の男性が近づいてきて「日本人かい?」と話しかけてきたのです。そのパブは外国人がほとんど来ない店だったので声をかけてきたのかもしれません。しかも運が良いことに男性はある集落の重鎮だったのです。またとないチャンスと思ったディレクターが取材の趣旨を説明すると、なんとその場で許可してくれたのです。マオリの多くは今も大切な話はメールでは不十分、顔と顔を突き合わせて話すべきだと考えていると言います。そういった意味でもパブでお酒を酌み交わしながら直接交渉できたことが功を奏したようです。
そして翌日、マオリの集落を取材することができ、伝統文化の象徴的存在であるマラエと呼ばれる集会所などを撮影することができました。
