沖縄戦研究者の吉川麻衣子さん。小学生のころに聴いた恩師の戦争体験をきっかけに、沖縄戦研究の道に入りました。臨床心理士として、沖縄戦を生き抜いた人々の心の痛みを聴く活動を紹介します。

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杖をついて歩く女性と、女性の左腕を支えるもう1人の女性。カメラの前に現れたのは、沖縄戦の語り部として活動してきた元学徒、翁長安子さんとその教え子、沖縄大学の吉川麻衣子教授です。今年4月、沖縄大学で再会しました。

翁長さんはカバンの中から思い出のアルバムを取り出しました。

▼翁長安子さん
「これを見て。たくさんアルバムが積んである中から、これが出てきたわけ。ひょっとしたら、あなたが。6年生の平和学習は魂魄(こんぱく)の塔に連れていっていたから」

那覇市立天妃小学校の6年生だった吉川さんと、学年主任だった翁長さん。春の遠足で、糸満市の魂魄(こんぱく)の塔を訪れたとき、2人が並ぶ姿が収められていまた。