コメの適正価格とは…そもそもどうやって価格決まる?

 次に、コメの適正価格について。LINE調査で「コメを選ぶ基準」を聞いてみると、以下のような回答結果が出ました。

【Q.コメを選ぶ基準は?】
 値段:38%
 品質・ブランド:32%
 味:27%
 その他:3%

 折笠主席研究員によりますと、コメ価格は「需要と供給のバランス」で決まりますが、実際は需要と供給の正確な量を農水省などが把握ができていないため、「今年の収穫量はこれくらいだろう」といった“見込み”に基づき価格が決まっているということです。

 そして、供給がどれだけ不足しているかが明確でないと市場に不安感が出て価格が下がりにくいと折笠主席研究員は指摘。例えば、インバウンドの急増や、万博会場やその周辺での需要急増など、需要が推測しづらく、さらにコメはその年にどれだけ収穫できるのかも推測しづらい、というのが難しいポイントのようです。

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 コメの流通価格の指標に「概算金」(仮渡し金)があります。概算金とはJAグループがコメを集荷する際に農家へ一時的に支払う前払い金のことで、買い付け競争が激しくなり、今年の概算金は例年より約3~4割上昇するところもあるそうです。そうなると指標が高くなるため、それにつられて全体的なコメの価格も高くなると折笠主席研究員は指摘しています。実際にコメが足りているかどうかを別にして価格が決められているため、新たなやり方を模索する必要があるかもしれません。

 「コメの適正価格はいくら?」とLINE調査で聞いたところ、2000円台に戻ってほしいという回答が半数以上でした。

【Q.コメの適正価格(5kg)はいくら?】
 2000円未満:17%
 2000~3000円:57%
 3000~4000円:23%
 4000~5000円:3%
 5000円以上:0.6%

 折笠主席研究員にもコメの適正価格を聞くと、「5kg2980円」くらいではないかとコメント。消費者にとって4000円超えは高すぎで、家計に大きく響きます。一方で生産者にとっても農業資材・燃料費などコストは上がっています。そのあたりを考慮すると、3000円前後が望ましいのではないかといいます。