気象庁は5月16日、九州南部地方が梅雨入りしたと見られると発表しました。今年、全国で一番はやい梅雨入りで、九州南部が最初になったのは統計史上初めてのことです。

九州南部では平年よりは14日早く、去年(2024年)より23日早い梅雨入りとなりました。

では、熊本などを含む九州北部も早く梅雨入りするのでしょうか?RKK熊本放送の坂本くるみ気象予報士が解説します。

――なぜこんなに早く梅雨入りした?

「もう雨の季節か」という感じですね。

偏西風の影響などもありますが、理由の一つは、夏の太平洋高気圧です。この時期としては勢力を強めていて、平年よりも北に張り出していることで『梅雨前線が、沖縄などを飛び越して』九州南部付近で形成されたからです。

だいたいの年は沖縄か奄美地方が先に梅雨入りするので、九州南部の梅雨入りが全国で最も早かったことについて、沖縄の新聞は「逆転」だと報じています。

――そうなると、熊本など九州北部の梅雨入りも早くなる?

そこが何とも言えないところです。例として、熊本県内の16日先(6月1日)までの天気予想を見てみましょう。

この週末などは、梅雨前線自体はしっかり熊本県内にもかかってきますが、その後いったん、前線が南に下がるタイミングがありそうです。

梅雨入りした九州南部に近い熊本県球磨地方などでは雨や曇りが多い予想ですが、福岡県などでは来週は晴れが続きそう。ということで、九州北部では、来週にかけては本格的な梅雨を前にした「梅雨のはしり」という見立てです。

――では、九州北部の梅雨入りは?

5月末の30日ごろから本格的な梅雨に入るのではないかと。九州北部の平年が6月4日ごろなので、平年並みか少し早くなる可能性があります。