■富山県知事謝罪も「関係絶つ」と言わない理由は
富山の政界と深い関係を築いてきた旧統一教会。新田知事は8月9日の会見で、後援会名簿の提供と電話かけの支援も受けたとして謝罪。そのうえでこう話した。
新田八朗 富山県知事
「今後はコンプライアンス上の課題がある団体とは、お付き合いをしないことをお約束いたします」
チューリップテレビ 毛田 キャスター
「今後は旧統一教会と関連団体との関係を絶つという理解でよろしいでしょうか」

新田八朗 富山県知事
「コンプライアンス上問題のある団体とはお付き合いをしないということはお約束したい。その言葉の通りです」
旧統一教会と関係を絶つとは言わなかった。
次の会見でも聞いてみると…。
チューリップテレビ 毛田 キャスター
「県政のトップとして『関係を絶つ』と明言されたという強い姿勢を示すことが、県民の不安を払拭するという形になるのでは」
新田八朗 富山県知事
「ご支援をいただいたのは事実です。ただ、その代償を一切求められたことはありません。なんら県政には影響がありません。県民のみなさんにはご心配いただくことはないわけであります。チューリップテレビさんはそれをなんとか煽ろうというふうに思ってらっしゃるような…」
チューリップテレビ 毛田 キャスター
「そういうつもりはなくて」
新田八朗 富山県知事
「いや、私はあなたの報道の姿勢を見ているとそう受け止めざるを得ませんね。本当に印象操作をされるような映像を垂れ流したりですね。どうか県民のみなさんにはそれをご安心いただきたいと思っています」
チューリップテレビの報道を印象操作と批判。それがなにを指すのか質問したが、具体的な回答はなかった。
9月2日、関係を絶つと言えない理由に政教分離の原則をあげた。
新田八朗 富山県知事
「政教分離と関係ないとおっしゃるかもしれませんが、関係あることなんです。関係を断つとか、そういう言い方になりますと、私はこれはもう憲法で規定されている圧迫になるというふうに思います」
宗教への圧迫に当たるとの主張に対し、霊感商法問題に取り組む弁護士が関係の断絶を新田知事に申し入れた。
全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広 弁護士
「やっぱり県知事さんは煮え切らない対応をしていらっしゃる。やっぱりきちっと判断をして関係を切る」
全国霊感商法対策弁護士連絡会 川井康雄弁護士
「政教分離の話と我々が言っている統一教会との関係は全く別の話です。宗教だから関係を切ろという話は全くしておりません。違法な行為をしている集団に対して関係を絶つべきだとお話をしている」
新田知事は旧統一教会がコンプライアンス上問題がある団体としながらも、政教分離の原則を理由に「関係を絶つとは言えない」との考えを変えていない。
新田八朗 富山県知事
「断ち切るとか、あるいは強い言葉で言えとみなさんおっしゃいますが、私はその言葉は使えないと言っているわけです。その結果、煮え切らないと言われようが、イモじゃないんですから…」
■苦しむ元信者の家族「家庭でうそつく教団はどこにもない。教団は解散すべき」

元信者の女性
「新田さんは教会にあんまり悪いことを言っていない。信者の人が献金でつらい目にあっている人が多いのに、全然そのことを考えてくださっていない。関係を切ると言ってもらいたい」
元信者の女性の夫も頼まれて、新田氏に投票したという。
元信者の女性の夫
「私の意思で投票したものではありません。教団側の指示なんですよ。票を返してくださいよ」
女性は夫の説得で脱会を決意。それまで8年もの間、家庭内で“ウソ”をつき続けてきた。
「2か月前に(通帳を)出してみろと言ったら、もう200万円くらいしかなかったんですよ。大体2000万円くらいあったんだけどね。8年間うそをつかれて、献金献金献金して。いろんな宗教をみても、家庭でうそをつく教団はどこにもない。家庭崩壊…教会でもなんでもありません。解散すべきです」