復旧の見積もり金額は30億円超、工事完了に11年

現時点で、復旧の見積もり金額は30億円超。

通常、重要文化財を復旧する場合は、国が85%を負担、その残りを県・市が4分の1ずつ負担し、所有者が2分の1を負担します。

仮に30億円と仮定して計算すると時国さんは、2億2500万円の負担となりますが、能登半島地震で上時国家をはじめとした文化財の被害が余りにも大きいため、国の追加支援制度などを活用することになり、その結果負担は総費用の1%を切るまでに収ったものの。それでも数千万単位の負担が見込まれます。

加賀藩主が入室をためらったと言われる大納言の間 MROライブラリーより

1960年代の奥能登観光ブームはあったものの、建物の維持管理コストが重く、2023年8月、運営困難を理由に上時国家の一般公開は終了しました。

文化財の復旧工事は、通常の建築物の復旧と異なり、文化財として指定を受けたものは、解体、移動をする際も一つ一つ写真を撮影し、どこで使われたものなのかなど記録を残す必要があります。解体、修理、復旧も専門の知識を持った作業員の手で行われることになります。

こうした作業があるため、通常の復旧作業よりも手間がかかり、工期は11年にもなります。