『しょうがのしょうこちゃん』。2025年4月に出版され、全国の書店などで販売されています。作者は、4人の子どもを育てるお母さん。会社を辞めて絵の世界に飛び込んだ絵本作家に、作品にこめた思いを聞きました。

「『このチャンスは逃すまい!』と思って、チャレンジしました」

神奈川県在住のひらおふみほさん。テレビ高知が開催した絵本コンクールで優秀賞を受賞した、“しょうがのしょうこちゃん”の作者です。“しょうがのしょうこちゃん”は、料理の主役になれず、自分に自信が持てないしょうがの女の子の物語。自信満々のお肉やお魚、料理たちがケンカを始めてしまいましたが、勇気を振り絞ったしょうこちゃんがみんなをキラキラと輝かせます。

(ひらおふみほさん)
「みんなと出会うことで、しょうこちゃんの魅力も引き立つし、周りの出会った食材、“野菜”、“肉”、“魚”そういったキャラクターも生き生き輝いていく、そんなストーリーにしたいなと。(しょうこちゃんが)勇気を振り絞ってステージに上がって、ショウガをふりまくシーンでは、“勇気を振り絞って何かにチャレンジするときの表情”ってどんなかなと、何度も描き直しながら作った見開きのページがこだわり」

Q.初めての絵本作りに不安は?
「“不安”よりは、“楽しさ”の方が勝っていたような感じがします」

神奈川県葉山町出身のひらおさん。幼いころから絵を描くのが大好きでした。

福島県の大学を卒業後、美容系の企業に就職。15年ほど勤めてきましたが「いつかは絵を仕事に」という夢を叶えるために2022年12月に退社しました。作家の仕事につながるものを探していると、絵本コンクールのホームページが目に留まりました。

(ひらおふみほさん)
「子どもに読み聞かせをする中で、『絵本の世界ってすごくすてきだな』といつも思っていました。結構気づくのがギリギリだったけど、『このチャンスは絶対につかみたいな』と思って、チャレンジして本当によかったなと思っている」

男の子3人、女の子1人のお母さん。絵本の中には、子どもたちとの日常がたくさん散りばめられています。

例えば、アイドル好きのしょうこちゃんのモデルは長女の和郁(わか)ちゃん。和郁ちゃんがアニメに出てくるアイドルに憧れていたことに着想を得ています。

また、絵本に出てくる、しょうがを使ったおいしそうなハンバーグ!実際にひらお家の食卓に並ぶ、子どもたちが一番好きな料理です。

そして、家族の時間は、絵本にこんな影響も与えていました。

「これじゃあ コンサートが だいなしで"しょうが”」
「“しょうが”い ついていきたいくらい だいすきなの」

野菜や魚の名前を使った、言葉遊びです。

(ひらおふみほさん)
「普段から子どもたちは“ダジャレ”がすごく好き、ブームになっていて、『ダジャレを思いつくだけ10個言い合おう』、そういう遊びをよくやっていたので、絵本の中にもダジャレをいれたら、楽しめるかなと思って。常にダジャレを考えていたような気がします」