「性暴力」言葉の定義とイメージについて反論
まずは「性暴力」について。フジテレビの第三者委員会の報告書の中では、元女性アナウンサーが中居氏によって性暴力による被害を受けたと認定しています。
このとき「性暴力」は世界基準となっているWHOの
・強制力を用いたあらゆる性的な行為
・心理的な威圧や脅しが含まれ、程度は問題とならない とするWHOの定義をもとに判断したということです。
これに対して中居氏側は・・・
・中居氏に事情聴取し資料を精査した結果、「性暴力」という一般的に想起される暴力的・強制的な性的行為は確認されなかった
・中立性・公正性に欠け、名誉・社会的地位を著しく損なったと反論しています。
1月9日に発表した中居氏のコメントでは、トラブルは認めたうえで、「一部報道にあるような手を上げる等の暴力は一切ございません」と言及。第三者委が「性暴力」を認定したことに、中居氏側として受け入れがたい部分があったのかもしれません。
つまり、“性暴力”という言葉の取り扱いについての主張です。性暴力と聞いて、WHOの定義に基づくものと、日本でイメージされるもの(例えば性犯罪)で差がありますということです。
―――「性暴力」の判断基準は、裁判官によっても変わるほど難しい、というのが河西弁護士の見方です。
(河西弁護士)「第三者委員会はWHOの基準に則っていて、中居氏側は強制性・暴力性はないということを一貫して主張しています。どちらの主張を採用するかは実際の裁判になった場合には価値判断にもなってくるところがあります。暴力的な行為と想起する方もいるかもしれませんが、昨今は幅広く、限定的に捉えるべきではないかという考え方も広がってきています。どちらにするかは裁判官次第というところはあります。」