■革新的なデザインの根底に人間国宝・伊勢﨑 淳氏の教え
陶芸家として、この素材をどう生かすべきか。石田さんの道標は、師から学んだ備前の教えです。
(陶芸家 人間国宝 伊勢﨑 淳 さん)
「備前焼は土と火と水と風このような自然の要素に本質がある」
革新的なデザインで知られる人間国宝。しかし、その根本はシンプルです。
(陶芸家 人間国宝 伊勢﨑 淳 さん)
「素材と対話をして素材の声を聞いて、自分の感性、制作、焼成の技術を加えて初めてできる。土が大切で素材感を捉えなければならない」
■素材の声を聞け あえて石の荒々しさ残した「備前磁器」
備前の石で挑む備前の焼き物。素材の声を聞き逃さぬよう、ろくろをひきます。
(陶芸家 石田 和也さん)
「大きな石が飛び出している姿など、完全に混ざりきっていない硬さの違うものが土の中に混在している感じを消さないように」
あえて石の荒々しさを残した磁器・備前磁器です。
(陶芸家 人間国宝 伊勢﨑 淳 さん)
「創造性がなければ滅びていく。自分なりの技法を加えて発展させていけばいい」
春、石田さんの個展には、独創的な備前焼が並びました。そこには、白く膨らんだ備前磁器の姿も。
(陶芸家 石田和也さん)
「6つ作ったなかで唯一きれいに完成したもので、タイトルを『オリジン』とし、原点と名付けた。今後、何年も備前磁器を使った作品を作りたい、その最初の挑戦」

太古から地中に眠る自然の美。
(陶芸家 石田和也さん)
「かっこいい一番先端ですね」
若き陶芸家が、備前800年の精神とともに、陶芸の最先端を走ります。