国宝や重要文化財の維持管理をめぐって、檀家のいない寺の住職らが苦悩しています。修理の際に多額の費用がかかり、数千万円を負担しなければならないケースもあるようです。最終的に、維持が難しいとなった場合は、貴重な文化財を“売る”という選択肢も…。苦渋の決断を迫られています。
国指定の文化財の数は計1万3000件以上
約1000年前に1本の木から作られたという『木造如意輪観音坐像』や、日本で初めて精工な地図を完成させた伊能忠敬の日本地図『伊能忠敬測量図』など、京都文化博物館には、今年新たに国宝や重要文化財に指定される予定の約50件が展示されています(『令和7年 新指定 国宝・重要文化財』展 5月11日まで)。京都でのこの展覧会の開催は、おととし京都に文化庁が移転したことを受けたもので、今回が初めてです。
(来場者)「初めて京都で見る機会があったので訪ねてみました。どれもすばらしかったので、少しでも長く保持していってほしいと思います」
国指定の文化財の数は計1万3000件以上。しかし今、こうした国宝や重要文化財の維持が難しいという声が上がっています。