平和な10年より長い感じだった

これは、今から、およそ20年前に撮影した佐次田さんのインタビュー映像です。
佐次田さんは、木の上で過ごした恐怖の日々をこう振り返っています。
(佐次田 秀順さん)
「どうして終わるか。殺されて終わるか、生きて終わるか分からない。そのへんがいつも心配だった」
(記者)
「2年間は長かった?」
(佐次田 秀順さん)
「長かったよ。平和な10年より長い感じだった」

佐次田さんは、山口さんと2人だったからこそ、あのつらい日々を耐え、生還することができたと話しています。
(佐次田秀順さん)
「1人では生きる気持ちはなかった。この世に味方は1人もいないということになってしまうから。生きる気持ちはなかったはず」

木から降りた2人は、それぞれの故郷に戻りました。