後継者不足も課題

生産量をこれ以上減らさないようにするため、もう一つの課題となっているのが職人、後継者が不足している事です。

織を担当している古藤さん。自ら申し込んだインターン期間を経て北九州市から移り住み、この4月から職人として働いています。

4月に入社した古東圭那さん(23)
「昔ながらの伝統工芸っていうのが好きで、それに携わる人になりたいと思って。経糸が切れたりとか、横糸が切れたりとかあるんですけど、なんかすごく充実している感じで楽しい」

丸亀絣織物 丸山重俊さん
「今まで、やっぱりどうしても仕事としてやっている方が多かったので、どちらかというとそういう思いを持ってこられたのがうれしい限りです」

伝統を未来へ

大阪・関西万博に出展する一番の目的。

それは古藤さんのように、久留米絣に興味を持ってくれる人に足を運んでもらうきっかけを作ることなのです。

丸亀絣織物 丸山重俊さん
「こういう織物ってすてきよね、私も担い手になってよりより絣を作りたいという気持ちの人が、一人でも産地に多く増えることが産地を伸ばしていくことになると思うので、働きたいという方を誘致していきたい」

そして、28日ー万博ならでは。外国人も久留米絣のブースを訪れていました。

オーストラリアから来日した人
「とても難しいけどおもしろい」

池田絣工房 池田大悟さん
「言葉が通じない方が多いですけど、全然それは関係ない。見ていただくと、すごい技術とか伝わりますし、私たちが着ているものを見ていただいたり、触っていただいたりすると、良いものというものが伝わるので多くの方に伝えていきたい」

そして、機織り体験をした人からは狙い通りの言葉が・・・

兵庫県から訪れた中学2年生(13)
「めっちゃ行ってみたい。裁縫が好きなので機織り初めてやって自分でもできそうだと思ったからやってみたい」

大阪府内から訪れた28歳
「昔からずっとやっていたのが、面白いなと思った。いろいろ久留米絣の工房を見て回りたいと思う

丸亀絣織物 丸山重俊さん
「産地まで行きたいと言ってる方がいました。私、名刺渡しました」

日が落ちても、来場者が途絶えることはありませんでした。

野村織物 野村周太郎さん
「全く知らなかった人から『初めて見ました』『初めて聞きました』『体験して良かった』『楽しかった』という声を聞けるのは、我々にとってはそれがまず一番。久留米絣を発信するというのが一番」

池田絣工房 池田大悟さん
「きょう初日で手探りの状態ですけど、残り2日もすごいことになると思う」

久留米絣の万博出典は30日までです。