帝国データバンクによりますと、今月値上げした飲食料品は4000品目以上。家計にやさしく「物価の優等生」とも言われてきた″もやし”にも値上げの波が押し寄せています。
長崎県大村市の市場にある青果店です。買い物客からは、昨今の値上げに悲鳴の声がー。

買い物客:
「高いです!(1回の会計が)2~3千円で済んでいたのが、もう5千円超えます…」
青果店:
「新物が出そろわないと相場は下がらないと思います」
天候不良や輸送費の高騰で、様々な野菜が値上がりを続ける中、需要が急増しているのは「物価の優等生」と呼ばれる「もやし」です。

買い物客:
「もやしですかね。量がたくさん食べられるし、かさ増しで肉に巻いたり」
過去最高の出荷量も「利益出ない」

安く手に入り、手軽に調理できるもやし。県内1のシェアを誇る「長萠産業」では、長崎県大村市の工場から1日10トン以上を九州各地に出荷しています。
去年9月からことし2月の出荷量は前の年から3割増え、過去最高となりました。しかし・・・

長萠産業 山田耕大代表取締役:
「ほとんど利益が出ていない状態です。原料費やエネルギー関係で原価がかかってしまって、切迫した状態になっています」
生産コストや人件費の上昇に伴い、今月から納品価格を平均で8パーセント値上げしました。
長萠産業 山田耕大代表取締役:
「ギリギリの値上げのラインで『10円』ではなく『8パーセント程度』の値上げに留めました。これで会社を安定させていきたい」

取材した「長萠産業」では今回の値上げは4年ぶりで、今のところこれ以上の値上げは考えていないとしています。