自販機ならいつでも購入可能…他の食べ物をあげることを防ぐ狙い

 ではなぜ強気の価格設定ながらも鹿せんべいの自販機が設置されたのでしょうか。

 (記者リポート 2020年11月放送)
 「男性が鹿に弁当をあげました」
 弁当のおかずや食パン、トウモロコシをあげる人たち。実はコロナ禍で「鹿せんべいをもらえず鹿が痩せている」といったデマ情報が広がったことなどが原因で、本来禁止されている鹿せんべい以外の食べ物を与えるルール違反が多発したのです。
 身勝手な餌やりで、お菓子の包装紙やレジ袋などを飲み込んでしまい、栄養失調などで鹿が死ぬ危険もあります。
 奈良公園では鹿せんべいを売る露店が多く出ていますが、観光客の多い日中しか営業されていません。いつでも購入できるようにすることで他の食べ物をあげる人がいなくなるようにしたいという狙いがあるのです。
 (奈良ビジターズビューロー 中西康博専務理事)
 「100年後にまだ奈良公園はあるでしょう。そこで普通に座って草を食べている鹿がいる未来を僕たちは保証しなければならないと思います。次の世代のために」