日本とアメリカの関税交渉が他の国に先駆けて行われたが、そもそも交渉を担当する大臣が抱える問題とは…?さらに今後は何が交渉のポイントとなるのか?

トランプ氏“サプライズ出席”の先に「中国」

日本時間17日に行われた関税を巡る1回目の日米交渉は、トランプ大統領との会談という形で始まった。

ホワイトハウスが公開した写真には、トランプ氏が度々口にする「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」(アメリカを再び偉大に)と書かれた帽子を被り、両手の親指を立ててポーズを取る赤沢亮正経済再生担当大臣の姿が…。

赤沢大臣(18日・自⺠党YouTubeチャンネルにて):
「今まで感じたことがないような圧を感じる状態ではあった。本人の言葉であれだけ熱を持って話していたから、ここは絶対譲れないところに近いなと」

複数の政府関係者によるとトランプ氏は
▼約9兆7000億円(約685億ドル)の日本への貿易赤字
▼在日アメリカ軍の駐留経費などの改善を要求したとのことだが、
【トランプ氏自らが出てきた狙い】は何なのか。日米の通商交渉に詳しい細川さんに聞いた。

『明星大学』教授 細川昌彦さん:
「自らこの交渉を“早くまとめたい”という意気込みを示したのでは。日本や韓国を優先しているのは、問題点がはっきりしていてまとめやすいから。同盟国が終われば次は本丸の中国。彼の頭は中国と交渉することを描いている。そのために急いでいる」

問題は「赤沢氏が喋れないこと」

およそ50分のトランプ氏との会談の後には、ベッセント財務長官らとの閣僚級会談が行われた。帰国した赤沢大臣は…

「お互いにここについて相手が受け入れられるようなものを作らないといけないというおおよそのテーマというものは、かなり掴めたような感じはする」(18日)

報告を受けた石破首相も「次につながる成果となったということを感じた」(18日)と話すが、細川さんは【今回の交渉における問題点】を指摘する。

細川さん:
「表向きは無難に済んだねということで評価している人がいると思うが、私はなかなかこれは厳しいと思う。赤沢さんにマンデート(委任された権限)がないから、喋れないんですあの人は。そこが問題」

▼【農産物】⇒党から「一切譲歩するな差し出すな」と言われている
▼【為替】⇒「20日の週に来る加藤財務大臣にお任せだからあなたではない」と言われている
▼【安全保障】⇒切り離してやるから今回は防衛省も随行せず

細川さん:
【農産物】・【為替】・【安全保障】、この三つの大事なカードを赤沢大臣は放棄して交渉に臨む。果たしてこれから先、重要な交渉に臨めるのか。政府一体なのかと」