「メンバーシップで末永く能登を知ってもらう」
未曾有の地震発生から1年3か月余り、ふるさと町野町では、まだまだ厳しい状況が続きます。2024年、藤本さんはメディアプラットフォーム「note」で展開されている能登半島復興支援メンバーシップ「つなぐSupport NOTO note」に参加しました。
藤本さん、同じく輪島市出身の作家・上田聡子さんをはじめ、能登、石川、富山にゆかりのあるクリエイターがそろい、この場でしか読めない作品を発表しています。運営は、藤本さんが執筆した小説版「花咲くいろは」の出版元、parubooksが担当、収益は、能登半島地震の復旧復興へ寄付されます。
このプロジェクトのポスターの背景は、藤本さんのふるさと町野町の風景を描いたものです。

書き下ろし第1回の作品は「囲炉裏」、第2回は「浴槽」、第3回は「十二畳間」、第4回は「桜」、ふるさと町野町のことを「物」を語り部として、能登の文化や風習をより多くの人に伝えていきます。
藤本透さん
「メンバーシップのメンバー、上田先生に「10年かけて能登のファンになってもらいたい」とお話しさせていただいたのですが、まさにその気持ちで書いています。SNSで町野町のことを中心に日々発信を続けているように、町野町で過ごした私の記憶――ごく当たり前だった日常に触れていただくことは、私以外の誰かにとっての思わぬ発見が生まれるのではないかと考えています。」
「物」を語り部として選んだのにも理由があります。藤本さん自身の体験ではなく、同じ「物」を通じて、物語に触れた誰かの体験になってほしい、作品を通じて、町野町を、能登を体験ほしいという願いを込めています。
生まれ育ったふるさと町野町、能登全体がかつてのような姿を取り戻すには長い年月がかかります。能登半島地震発生後も様々な災害が国内で発生し、ともすれば忘れ去られてしまいそうになりがちです。
「明日が今日よりよくなりますように、また明日。」
藤本さんの1日の投稿の締めくくりに使われる言葉です。
1日も早い復興への願いを込めて、藤本さんは、休むことなく、能登を知ってもらうため地道に“ふるさとの今”を発信しています。
藤本透さんプロフィール
シナリオライター。アプリゲーム『ノラネコと恋の錬金術』メインシナリオライター。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2』のシナリオ執筆に携わるほか、様々なジャンルでの執筆を手がける。石川県輪島市町野町出身で、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報を日々きめ細かく発信している。