石川県議会の予算委員会が16日開かれ、陸上自衛隊金沢駐屯地を能登に移転する案に対し、石川県の馳浩知事は「議論を喚起する価値がある」として、情報収集を始める考えを示しました。

自民党の福村章県議会議員は「思い切った提案をします。金沢の陸上自衛隊の駐屯地を能登にもっていかれたらどうですか」と質し、2000人を超える隊員とその家族の移住で、能登の活性化を見込めることなどを理由にあげました。

これに対し、馳浩知事は、国防に関わる国の専管事項だとした上で、演習場を含めたまとまった用地を確保できるか、道路寸断などが発生した場合に富山県や福井県を含めた管轄区域での役割が発揮できるのか、という課題があるとしました。その一方で、対岸諸国に近い能登半島に部隊を置くことで国防強化が図られることや、能登での災害発生時により迅速な初動対応が可能となることから「議論喚起の価値がある」との認識を示しました。

馳浩知事は「防衛省が、また政府がどのような判断をされるか次第ですが、まずは竹沢淳一危機管理部長に情報収集をさせたいと思います」とも語り、石川県議会の重鎮から飛び出した発言に配慮を見せながらも慎重な姿勢を見せています。