相互関税の「上乗せ分」は延期になったが、「自動車などへの追加関税」と「一律10%の相互関税」は発動されたまま。理不尽なトランプ関税に苦悩する現場を取材した。
対中国「145%関税」も大きな痛手
「乗り心地を良くしたい、走りを良くしたい、見た目を良くしたいという車好きの客が全世界にいる」

設立40周年を迎えた自動車部品メーカーの『テイン』(神奈川・横浜市)では、車のサスペンションを専門に扱っている。
売り上げの半分以上が国外への輸出で、アメリカがそのうちの4分の1を占めるという。
工場は日本と中国にあるが、アメリカ向けの製品は全て中国で生産し直接輸出しているため、アメリカの【中国への関税率145%】は大きな痛手となる。

『テイン』執行役員・渡邊宏尚さん:
「客に売るための販売価格にどうしても影響が出てくる。アメリカの客は非常に価格に敏感で、おそらく売り上げ自体は厳しくなる」
今後の対応策としては、
▼アメリカ向けの製品⇒日本での生産に切り替え
▼中国で作った製品⇒東南アジアなど他の国に輸出する予定だという。

渡邊さん:
「中国の工場は生産キャパに余剰が出るので、もっと付加価値の高い製品の生産もできる。なので高付加価値の製品の生産を増やすなど、全体のバランスはとっていける」